新規就農事例

塩貝 怜さん

~阿蘇市 トマト新規参入者~

1 現在の農業経営の概要

経営地 阿蘇市
経営開始年 平成29年度
営農類型 施設野菜
(トマト)
経営規模 40a
労働力 2人+臨時雇用1人

■初期投資 合計約600万円(親から250万円、JAから270万円など)

  • 1年目H29 16a ハウス建設等のための青年等就農資金を借入(270万円)4割補助
  • 2年目H30 23a ハウス増設のための青年等就農資金を借入(290万円)
  • 3年目R01 28a ハウス増設のための農業近代化資金を借入(580万円)
  • 4年目R02 40a ハウス増設のための青年等就農資金を借入(330万円)
  • 5年目R03 48a ハウス増設のための青年等就農資金を借入(260万円)

2 就農までの経歴・就農のきっかけ

■研修を受けた経緯

埼玉の大学在学中に就職活動で、農業も選択肢の一つとして考え、職業としてやっていくことを決め、農業の基本的な情報を学ぶため農業大学のプロコースに入りました。その時、師匠(齊藤さん)のところへ視察に行く機会があり、肥料など様々なことを学び稼げる農業を学びたいと思いました。
そして農業大学のプロコースが終了後、師匠の元で勉強したいと思い研修に入りました。

■研修について

研修中大変だったことは、まず夏のハウスの中の暑さに慣れるまで(農業にあった身体が出来るまで)が大変でした。それ以外は、研修生の先輩や後輩と仲が良かったので特に大変に思ったことはなかったです。また、研修中にハウスの建て方まで勉強できたことや就農に向けての準備など色々なところでサポートして下さりすごく助かりました。

3 今後の抱負/後に続く新規就農者の方々に送るエール

■今後の抱負■

教えて下さった師匠が100aトマトを作られているので、私自身も師匠を目標に100aを目指し頑張りたいです。

■後輩の皆さんへ■

新規就農で農業を職業にするのはとても難しいです。就農する時に必要なことはいくつかありますが、初期投資を抑える事、規模拡大していく事、利益を上げ続ける事、そして一番大切な事は技術を持った人に教えてもらう事です。新規就農者は作物作りの技術が欠けています。書物での勉強も必要な事ですがそれだけではどうにもなりません。自分がやりたいやり方があると思いますが、まずは何年も成績上位にいるような人にやり方を教えてもらい真似していくのが間違いないです。そのやり方を覚えてから自分の目指すものを目指すのがいいと思います。私もこれからですが、皆さんも誰にも負けない技術力をもって、利益をあげて税金をたくさん納めて地域に貢献できる就農者になっていきましょう。

4 作型

2月 3月 4月 5月 6月~11月 12月
堆肥投入 鉢上げ 定植 管理 収穫 ハウスメンテナンス

5 綿住さんのこれまでの経営とモチベーショングラフ

6 モチベーショングラフのポイント

主なできごと/経営上の課題と解決策

②研修を受けながら、農地の確保に動き出す

新規就農の時、農地取得は一つの壁であります。農地については私の場合は研修が決まった時点で、受入農家の齋藤さんがトマトを作るのに適した土地を探してくれました。地元でない者に土地を簡単に貸してくれる人は少ないです。耕作放棄地などの土地は貸してくれることはあるでしょうが、受入農家の齋藤さん曰く「耕作放棄地は作物が作りにくいところだから放棄されている。作りやすいところはもう誰かに使われているか自分で作っている。ただでさえ不利な状況な新規就農者は作目に合った有利な土地で作らないといけない。」との事でした。

③研修を受けながら、施設の確保にも動き出す

ハウスは中古と「攻めの園芸生産対策事業」(補助事業)を活用して新品を建てました。割合は半々ぐらいです。中古のハウスについては受入農家である斉藤さんのグループの先輩が買って置いていたものを使いました。中古ハウスの支払いも独立してお金が出来てから支払う形でいいと言われたので、すごく助かりました。トラクターや耕運機も受入農家の斉藤さんの所の物を使わせてもらい初期投資がかなり抑えられました。
資金調達については自己投資が親から借りた250万、青年等就農資金270万を借りて始めました。中古ハウス等を合わせると約600万の借金からスタートです。

⑤自分で作ることの難しさに直面するも・・・技術を学びなおし地域に貢献できる農家を目指す!

トマトに限らず農作物を作る年数をある程度重ねると連作障害により収量は下がってきます。土を傷めず連作障害を遅らせて高い水準での収量を取っていく事が今後の課題です。そのために質の良い堆肥を作って入れ続ける必要があります。稲わらを入れて自分たちで堆肥を作って2年寝かせたものをハウスに入れていますが、稲わらの量が欲しい分確保できず思うように作れずにいます。堆肥の原材料の確保に苦労しています。